外国人が活躍する企業⑤ 桑名市総合医療センター

外国人が活躍する企業⑤ 桑名市総合医療センター

2018/12/04 Tuesday キャリア

三重県内でも正社員として働く外国人は増えてきています。外国人社員はどんな企業で働いているのでしょうか。外国人社員が活躍できるように、企業はどんな工夫をしているのでしょうか。

桑名市総合医療センター

桑名市総合医療センターは2018年4月に新病棟が完成したばかりで、最新の医療機器も導入されました。12月にすべての病棟が完成すると病床数は400床になります。

桑名市がある三重県北部には外国人が多く住んでいることから、この病院は医療通訳者を2014年から配置しています。医療通訳者は、外国人を言語の面で助けるだけでなく、医療現場にも診療行為を円滑にするというメリットをもたらします。

医療通訳が導入された当初から働いているカルラさんは、クセの強い話し方をする医師の方言や専門用語も的確にとらえ、素早く通訳していました。カルラさんに医療通訳者専用の控室でお話を伺いました。

  • 医療通訳者 カルデナス カルラさん

ペルーからデカセギのつもりで日本に来て22年になります。来日当初は日本語ができず、「スモウ」と「キモノ」しか知りませんでした。そんな中で一人目の子を出産しましたが、病院では訳がわからぬまま点滴を打たれたりして不安でした。それでも、子どものために安全な日本に残りたくなったので、日本語学校に通って勉強しました。日本語を習得することでいろんな可能性が広がったように思います。医療通訳の仕事もそのひとつです。

現在はスペイン語、ポルトガル語の通訳をしていますが、例外的に英語の対応をすることもあります。診察、検査、入院手続き、手術など、いろいろな場面で通訳をします。院内のあちこちから呼び出しのコールがかかり、忙しい毎日です。

医療通訳の仕事は単にことばを置き換えるだけではありません。文化が違う双方のコミュニケーションを良くするための工夫が必要です。例えば、日本の医師は妊娠が発覚した人に産むかどうかの意思を確認しますが、それは、産むことが当たり前のペルー人にはとてもショッキングな質問です。このような文化の違いを患者さんや医師にあらかじめ説明して、心の準備を求めたりもしています。

今では他のスタッフに気遣ってもらえるまでになりましたが、医療通訳という新しい職種を院内で理解してもらえるよう、根気強く人間関係をつくってきました。あるとき、患者さんがいきなり、主治医にペルー流の感謝のハグをしたことがありました。先生は気難しいタイプでしたが、この事件を意外にも喜んでくれたおかげで、先生と私の関係も良くなりました(笑)。また、患者さんの中には、医師には遠慮するのに通訳者には遠慮なくものを言う方もいるので、受け止めるのが大変です。それでも、患者さんから「ありがとう」のことばがもらえる、やりがいのあるこの仕事が好きです。

地方独立行政法人桑名市総合医療センター
設立:2009年10月
本部所在地:三重県桑名市寿町3丁目11番地
URL: www.kuwanacmc.or.jp
※医療通訳の利用には予約が必要です

桑名市総合医療センターについては、三重県内の大学に通う留学生、キム チョヨンさんとチン ダガンさんが、アシスタントの松原篤さん、白戸まさみさんとともに取材しました。記事はこちらに掲載されています。

外国人リポーターによる取材記事

www.mief.or.jp/jp/gaikokujinkatsuyaku.html

(桑名市総合医療センター)(日本語・韓国語・中国語)

 

報告会も予定されています。

企業訪問報告会(日本語)

日時:2018年12月8日(土)13:30~15:15

場所:アスト津3階(津市羽所町700)

この事業は一般財団法人自治体国際化協会の助成金により実施しました。

外国人が活躍する企業➃ ジャパンマテリアル株式会社 株式会社JMエンジニアリングサービス

2018/12/04 Tuesday キャリア

外国人が活躍する企業➃ ジャパンマテリアル株式会社 株式会社JMエンジニアリングサービス

三重県内でも正社員として働く外国人は増えてきています。外国人社員はどんな企業で働いているのでしょうか。外国人社員が活躍できるように、企業はどんな工夫をしているのでしょうか。

ジャパンマテリアル株式会社 株式会社JMエンジニアリングサービス

ジャパンマテリアル株式会社は、半導体や液晶を製造する工場の操業を支える会社です。設立からまだ20年ほどですが、高い技術力をもとに、世界的に有名な大手半導体工場や液晶工場とも取引をしながら業績を伸ばし、東証一部上場も果たしています。

グループ会社の㈱JMエンジニアリングサービスに所属するエンジニアは、取引先のクリーンルームの中で作業をしますが、壊れやすい製品を相手に丁寧な仕事が求められます。ミスは許されません。そのため、入社して約6ヵ月は本社にある技術トレーニングセンターで研修を受けます。そして試験に合格してはじめて現場に出ることができます。ベトナム出身のエンジニアも7名が研修中で、13名はすでに研修を修了しています。

この社内研修を修了したばかりの、ベトナム出身の二人にお話を伺いました。

  • エンジニア チウン コック フィさん

ベトナムの工科大学でメカトロを専攻しました。ベトナムの米国系企業で働いていましたが、日本語学校に進学し、今年2月にこの会社に入社しました。現在は東芝メモリ四日市工場で半導体製造装置のメンテナンスに携わっています。

元々ロボットが好きなので、この仕事を選びました。日本の環境に慣れるまでに2週間くらいかかりました。はじめの頃は三重弁に困りました。

  • エンジニア ティン バン ティエンさん

ベトナムの工業大学の電気電子学科を卒業し、東京の日本語学校に進学しました。今年の4月からこの会社で働いています。入社の理由は、大学で勉強したことが生かせることと、福利厚生が良いからです。仕事の現場はきれいですし、上司は優しく教えてくれるので、入社してよかったです。

二人とも仕事に対して強い責任感をもち、社内での評判は上々でした。同社はこうしたベトナム人のエンジニアを今後も多く採用していきたいと言います。外国人社員のために寮の建設に取り掛かるなど、日本で安全・安心な生活ができるようなサポートを大事にしているとのことです。「社員は家族」が企業理念のひとつである同社は、国籍に関わらず社員を大切にする会社です。そしてまた、社員も会社や仲間を大切にする様子が伺えました。

ジャパンマテリアル株式会社
設立:1997年4月
本社所在地:三重県三重郡菰野町永井3098番22
URL:www.j-material.jp

株式会社JMエンジニアリングサービス
設立:2014年4月
本社所在地:三重県三重郡菰野町永井3098番22
URL:jmes.jp

ジャパンマテリアル株式会社、株式会社JMエンジニアリングサービスについては、三重県内の大学に通う留学生 パクソヨンさんと社会人のウー ロナルドさんが、アシスタントの海住さつきさん、西田凌樹さんとともに取材しました。記事はこちらに掲載されています。

外国人リポーターによる取材記事

www.mief.or.jp/jp/gaikokujinkatsuyaku.html

(ジャパンマテリアル株式会社)(日本語・韓国語・英語)

 

報告会も予定されています。

企業訪問報告会(日本語)

日時:2018年12月8日(土)13:30~15:15

場所:アスト津3階(津市羽所町700)

この事業は一般財団法人自治体国際化協会の助成金により実施しました。