確定申告について

確定申告について

2019/01/08 Tuesday お知らせ, 日常生活と法律

「確定申告」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、どのようなものなのか、どういう時に申告するべきなのか、ご存知でしょうか。働いている会社で年末調整をしている人は、たいていの場合、確定申告をする必要はありません。しかし、副業をしていて年間20万円以上の所得がある場合や、給与を2か所以上から受けている場合など、確定申告が必要な場合もあります。

また、医療費が年間で10万円を超える場合など、確定申告をすることで、還付(医療費控除)を受けることができる場合もあります。

このビデオでは、確定申告の大切さと、特に外国人の方が気を付けなければならない点について紹介します。

確定申告とは?

所得税の確定申告とは、所得にかかる税金(所得税及び復興特別所得税)を計算し、支払うべき税金を確定するための手続きです。税金はすべて自動で引き落とされるわけではありません。場合によっては、源泉徴収された税金などすでに納税した税額と、納税すべき税額に差が発生することもあります。

ですので、確定申告書に各種証明書などの必要書類を添付して、毎年1月1日から12月31日までの1年間で生じた収入や支出を、翌年の2月16日から3月15日(土日の場合は翌月曜日)までに申告・納税します。そうすることで、納めるべき税額が確定し、納めすぎた場合には、税金が還付され、手元に戻ってくることもあります。

確定申告が必要になる主な場合

  1. 勤務している会社で年末調整を受けていない
  2. 個人事業主(自営業)の方
  3. 2つ以上の会社から給与を受けている
  4. 副業やアルバイトなどの副収入が20万円を超える
  5. 外国企業から支払われた退職金などで、源泉徴収されていない所得がある など

確定申告に必要な書類等

  1. 確定申告書(国税局のホームページからダウンロードまたは、税務署で受け取ることができます)
  2. 源泉徴収票などの収入を証明できる書類
  3. マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード+身分証明書(在留カード・運転免許証など)
  4. 控除に必要な各種証明書類
  5. 印鑑またはサイン など

控除の対象となるもの

確定申告では、控除の対象となるものがたくさんあります。諸条件がありますが、例えば、1年間にかかった医療費(申告者及び扶養家族を含む)の自己負担の合計が10万円を超える場合、その超えた分の金額を「医療費控除」として、所得金額から差し引くことができます。

他にも、日本国内で勤務する外国人が、海外に居住している家族等を養うために送金している場合、扶養関係を証明する「親族関係書類」と「送金関係書類」を用意することで「扶養控除」を受けることができます。ただし、書類が外国語で作成されている場合は、日本語に翻訳が必要です。

また、日本国外で生じた所得に対して、外国で納税をしたにも関わらず、日本でも課税対象になっているものは、その納税済みの税額のうち一定額を、日本で支払うべき税額から差し引くことができる「外国税額控除」があります。※詳しくはこちら(日本語のみ)

これらの他にも「障害者控除」や「社会保険料控除」など、さまざまな控除があります。詳しく知りたい方は近くの税務署や税理士等に相談するか、国税庁のサイトを参考にしてください。

詳しくはこちら(日本語のみ)

どこで確定申告ができますか?

確定申告会場で申告をすることができます。2018年分の確定申告会場はこちら(日本語のみ)

会場では、確定申告に関する情報を手に入れたり、相談し、記入の仕方を教えてもらったりすることができます。

「税金のことは良く分からない」、「確定申告は難しそうだ」と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、過不足なく、きちんと納税するためにも、一度、ご自身の所得や、控除を受けられるものがないかどうか、確認してください。確定申告が必要であるとわかった場合、確定申告が可能な期間の前から、必要な書類を用意しておきましょう。

三重県内 各地域の税務署一覧

https://www.nta.go.jp/about/organization/nagoya/location/mie.htm

*税務署での相談は、確定申告期等の一定期間を除いて、事前予約が必要です。

*税務署は日本語対応のみです。日本語が話せない外国人住民の方は、通訳のできる人と同行をお願いします。

多文化共生社会に向けて地域社会で活躍する外国人住民

2019/01/08 Tuesday お知らせ, 日常生活と法律

多文化共生社会に向けて地域社会で活躍する外国人住民

様々な価値観や文化的背景を持ちながらも、積極的に日本の文化や習慣、生活様式、言語を身につけようと、努力している人や、住民として暮らし、社会の一員として地域で活躍している人も多くいます。

今回紹介するのは、外国人住民の中でも、ブラジルに次いで2番目に多い中国の方で、地域のコミュニティと積極的に交流している2人の方にお話を伺いました。

初めに、三重大学の大学院生で、中国人留学生の団体「学友会」の代表を務めている孫さんに、国際交流や地域で取り組んでいる活動に参加した経験についてお話を伺いました。

「インタビュー 孫さん – 日中学友会」

A:今年はちょうど日中友好平和条約締結40周年を迎え、日中友好協会と私達、三重県庁の支援を受けて、知事とのコミュニケーションを図る「知事と話そう」というイベントに参加しました。

三重大学の3人の日本人学生と3人の中国人留学生が三重県知事と交流し、三重県に対する思いなどを話しました。最後に、私たち留学生と日本人学生が学生大使として、若者独自のやり方で、平和的で友好的な関係を続けていくことを提案しました。

他に、毎年津市で開催される、「わいわいがやがやフェスタ」があります。誰もが自分の国の民族文化を披露することができます。今年は11月11日で、屋台村の活動もあります。自分の国のおいしいものや芸術品などのお店を出します。私たちも毎年参加しています。 私はオペラや民俗舞踊などで出ています。

別の活動としては、以前から毎年、私たちの学校ではビーチの清掃をしており、中国人留学生もほとんどが参加しています。清掃後は、地元の漁師さんたちから魚などをいただきました。

Q: 三重県がもっと多文化共生社会になっていくために、大切なことはどのようなことですか。

A: 私は日中友好協会の外国語教室で中国語を教えています。私の生徒の中には、中国語弁論コンテスト、つまり中国語のスピーチ大会に参加する人がいます。彼のスピーチの内容は、多文化共生に関するものでした。

ある日本人の学生は、中国人の女の子がクラスに転入すると聞きましたが、友達にはならないだろうと、最初は興味を持ちませんでした。しかし、その転校生が来た後、非常に仲の良い友達同士になりました。外国人だから仲良くなれないだろう、という最初の思い込みは、正しいものではありませんでした。色眼鏡をかけて外国人を見ないようにすることの大切さを訴えました。

よりよい多様な社会を築き上げるのであれば、実際に聞いて、見て、体験することがポイントです。外国人と実際に交流をすることが大事です。そうすることによって、各国の人々に対して理解が得られます。

次に、三重大学を卒業後、20年近く三重県に住んでいる蔡さんにお話しを伺いました。これまでに参加した地域のイベントや学校との関わりについて語ってくださいました。

「インタビュー 蔡さん」

A: 私たちの子どもは、地域の子ども会に参加しています。すべての親も順番に活動を計画し、参加します。

毎年、新入生のための歓迎会や、春と秋の廃品回収、夏には家族同伴の旅行があり、冬にはボーリング大会が行われます。

活動を通して、子どもたちは、異なる学年の子とのコミュニケーションが増えて、関係が深くなります。それから、親同士も活動があるので、子供たちが楽しい時間を過ごしながら、親も楽しく過ごせます。私たちの地域には、毎年スポーツ大会という大きなイベントがあります。 私たちの子どもも積極的に参加しています。選手に選ばれた場合、子どもたちは努力してチームメンバーと一緒に頑張ります。

もう一つとしては、学校の教師と親が協力してつくるPTAという制度があります。親は学校に行き、学校の教育活動に参加、協力することができます。

私は運よくこの活動に参加することができました。PTA本部のメンバーも務め、他の子の親と一緒に活動に参加しました。プライベートの時間を取られますが、学校の仕組みをよく理解し、学校での子供の生活を知ることもできるし、先生とも良い交流を持つことができます。だから、私にとって、とても良いことでした。(PTAに参加したことで)社会に溶け込む良い機会を得ることができました。

Q: 子ども会、PTA以外に日本人と交流する機会はありますか。また、どのように交流をしていますか。

A: たくさんあります。私はママ友とコミュニケーションを取っています。 一緒に食事に行き、子どもの状況について話したり、学校の状況についても話します。また、ママ友を家に招き、一緒に自分の得意な料理を作って交流します。とても楽しいです。

それから、近所の人との関係も非常に良いです。お隣さんは、よく彼らが作った美味しいものを分けてくれます。私も自分が作った美味しいものを持っていきます。

私たちは自宅で音楽教室をしています。 音楽の交流以外にも、花見やバーベキューなど、毎年、忘年会や新年会も開催して交流を楽しんでいます。

特に2011年には東日本大震災の後、何回かチャリティーコンサートを行いました。さらにその後、約2〜3年続けて、チャリティーコンサートで得たお金と、集めた募金を自らの手で東北の被災地域へ持っていきました。私たちは現地の仮設住宅や公民館などでコンサートを行いました。 この活動によって、私が住んでいる近辺の狭い範囲ではなく、広い範囲での交流ができ、私たちにとって非常に有意義なものだったと思います。

今回の方のように、自ら進んで地域のコミュニティと関わりを持つことで、互いの違いを知り、伝えあおうとすることが、多文化共生社会の実現のためにとても重要です。地域のコミュニティとの交流を増やすことは、日本人住民と外国人住民が、互いに異なる価値観や意見を共感でき、多様性を尊重できる風土をつくることにつながります。さまざまな異なる背景を持つ人々が、地域住民として一緒になって社会を築いていくために、積極的に地域の人々と交流する機会を持つようにしましょう。