親が子どもの教育をサポートする大切さ

2013年1月19日(土)に鈴鹿市で「キャリアガイド出前セミナー」が開催されました。

2013/02/21 Thursday 教育, 教育

鈴鹿市で開催された三重県主催のセミナーに、児童・生徒たちと保護者であるお父さんやお母さんがたくさん集まりました。セミナーでは、キャリアガイドDVDを観て、進学に関する大切な情報を得ました。悩みやわからないことについて、先輩保護者からのアドバイスも聞くことができました。

保護者同士のグループディスカッションでは、教育に関して直面する問題に対する解決法や、どんな壁を乗り越えなければならないか、一人ひとりの意見を出し合うことが出来ました。

グループで取り上げられた話題のいくつかを紹介します。

*言葉の壁

多くの親が持つ悩みの一つは、日本語か母語か、どちらを優先すれば良いかということです。子どもの将来のためには、両方の言語を取得させた方が良いとアドバイスされました。

*学費の問題

日本の教育制度を知らない外国人は、高校や大学に進学するためにまとまったお金が必要なことを知りません。後になって、学費を払えないということにならないためには、事前に学費のための貯金をすれば良いとアドバイスされました。貯金することが不可能な場合は、いろいろな奨学金制度があります。奨学金に関しては、学校や、外国人を支援する組織で情報を得ることが出来ます。

*子どもへの言葉がけ

子どもたちがやる気をなくさないように、かける言葉に注意をしなければなりません。例えば、子どもたちの前で母国へ帰国する話をしたりすると、日本の学校に通っている子どもたちは、日本語を覚える必要性を感じなくなり、勉強する意欲を無くしてしまいます。

*ネットワーク作り

友達の輪をひろげてネットワークを築き、情報を得ましょう。先輩保護者のアドバイスは、現在悩んでいる保護者の役に立つでしょう。また、県や市町、外国人を支援する組織などのサポートで、必要なアドバイスや情報を得ることができます。

 

多くの保護者が自分の子どもの将来について心配をしていましたが、セミナーに参加してベテラン保護者の経験を聞き、得難い情報を得ることができました。また、子どもの教育には親のサポートがどれほど大切かを感じることができました

外国人の雇用を考えるセミナー

2013/02/21 Thursday 教育, 教育

平成25年1月30日(水)に 四日市市で「外国人の雇用を考えるセミナー」が開催されました

三重県、四日市市、四日市商工会議所が主催する、企業関係者等を対象にした「外国人の雇用を考えるセミナー」が開催されました。

基調講演の講師、田村 太郎さんは、日本在住外国人に関する幅広い経験をお持ちです。今回の講演のテーマは「外国人とともにつくる地域の職場」でした。

日本人と日本在住の外国人が交流しながら暮らしていくことを「多文化共生」と言います。講師の田村さんによると、外国人と共に職場を築くことは、日本の未来にとって、とても大切なことです。この新しい時代において、様々な課題や、今まで経験したことがない状況に直面することがありますが、このような変化にもついていかなければなりません。

日本在住の外国人はいろいろな課題に立ち向かっていますが、その中でも、言葉の壁が一番大きな課題です。外国人を対象とした日本語教育がまだ不十分です。

将来日本には、人口変動や気候変動などの影響により、多数の問題が発生する可能性があります。社会の高齢化が進み、年金に関する問題も見られます。

講師の考えによると、外国人の力がなければ、日本は滅びてしまう可能性があります

若者の地域の消防団への参加が減少していることを、一つの例として挙げていただきました。外国人や女性や高齢者の住民も協力しないと、地域を守っていくことができなくなります。

過去に効果的だった対策も、現在の状況には効き目がありません。日本人と外国人が力を合わせ、新しい解決法を考えていく必要があります。

人口変動に関する課題への対処法はいくつかあります。多文化社会を築くことが、その一つです。

現在、日本には約2百万人の外国人が在住しています。2008年のリーマンショックに続き、2011年の東北地方の大震災後に、多くの外国人が帰国しました。しかし、再入国した人や、帰国せずに日本に残った外国人も多くいます。

また、近年、永住者資格を取得する外国人が増加しています。一般永住者数は、2002年には約22万4千人でしたが、現在は60万人を超えています。永住者資格を持つ外国人が日本の社会の一部となっており、彼らの数が増えることで、地域での消費も増えます。

多文化共生社会が確立している国では、外国人が様々な分野で活動しており、社会の中に溶け込みやすい環境になっています。

外国の労働者が増えると、日本人の仕事が減ると心配する人がいますが、実際には、移民は地元の労働者の仕事を奪わないうえ、地域に新しい仕事を作り出し、賃金を高めるということが、欧米の研究で示されています。

講師から挙げられたもう一つの課題は、同じ職場内での、日本人と外国人の待遇などのちがいを改善していくということです。他にも、次のような課題を解決していくことで、日本の企業や社会において、多文化共生を進めていくことができます。

外国人住民が直面する主な課題

*コミュニケーションに関するもの

-日本語習得機会が少ない

-通訳・翻訳サービスが少ない

*生活に関するもの

-健康保険や年金の加入率が低い

-就学状況がわからない児童・生徒が存在(児童労働も)

-雇用が不安定で日本での生活が安定しない

-災害に不慣れでスムーズに避難できない

*地域社会との関係

-地域住民と接点がなくなじめない

-文化摩擦や偏見から差別に遭う

外国人が多く暮らしているにも関わらず、法制度の不備や社会資源の不足、

市民の認識が変わっていないことが課題!

 

多文化共生を実現させる責任は、個人や企業だけではなく、社会全体の責任であることを話していただきました。

 

最後に田村さんは、「多文化共生」とは、単に外国人に優しく接することではなく、日本人と外国人が、共に力を合わせてより良い社会を築いていくことを意味すると教えてくださいました。