「非常持ち出し品・備蓄品」

「非常持ち出し品・備蓄品」

2011/03/30 Wednesday 防災情報

地震、津波、台風や大雨が原因で起こる土砂災害や洪水、浸水などの災害はいつ起こるかわかりません。災害が起こったとき、自分や家族を守るためにも、普段から、災害が起こった時のための準備をしておく必要があります。

災害が起こった時には、「自分の命は自分で守る」ことが基本です。そのためにも、避難する時に避難中に必要な物を持っていくための「非常持ち出し品」と、被災直後の生活に必要な「備蓄品」を、家で準備しておきましょう。

 

まず、「非常持ち出し品」について、説明します。

「非常持ち出し品」は、リュックサック等にいれて背負って持ち運ぶようにします。これは、避難する時に両手が使える状態にしておくことが大切だからです。また、荷物が重すぎると避難する時に負担になりますので、自分の体力を考えて持ち運びができる重さにしておくことも大切です。

「非常持ち出し品」には、次のようなものがあります。

1.貴重品 現金(小銭も必ず準備する)、パスポート、外国人登録証、健康保険証、預金通帳、運転免許証等のコピー等

災害が発生すると電話が通じにくくなったり、使えなくなることがよくあります。公衆電話を使えるように、10円玉を30~50個ぐらい準備しましょう。また、健康保険証などの大切な書類はコピーしておいて、非常持ち出し品を入れたリュック等に入れておきましょう。

 

2.避難する時に必要な物

懐中電灯、携帯ラジオ、電池、ローソク、ライターなど。

夜、暗い場所を移動して避難しなければならない時や、停電で電気が使えない時には、懐中電灯が便利です。情報を聞くためのラジオも災害が

起こった時には大切です。電池で使える物を準備して、予備の電池も忘れずに用意しましょう。また、充電と懐中電灯、ラジオ等の機能を持つこのような物も売られています。充電するときは、このように手でまわします。停電して電気が使えない時でも、携帯電話への充電もできるので、便利です。停電した時に、長い時間あかりとして使うにはローソクが便利です。火をつけるためのライターも用意しましょう。

 

3.自分の身を守るために必要な物

ヘルメット、救急セット(軽いケガの処置ができるもの)、薬(熱、頭痛、腹 痛などの時に普段使用しているもの)、マスクなど。

災害が起こった時や災害後にはケガや体調不良がつきものです。軽いケガや症状は自分で処置できるように準備しておきましょう。

 

4.衣類  下着、上着(小さくたためる防水ジャケット等)、タオル等

〔ナレーション〕夏でも夜は気温が下がります。また、避難する時にケガを防ぐためにも、防水ジャケットがあると便利です。
タオルはケガをした時にも使えますし、大きめのタオルは床に敷いたり寝るときにかけたりなど、いろいろ使えますので、何枚か用意しましょう。

 

5.水、食料

長期間保存できる軽い食料(クラッカー等)。ペットボトルの飲料水等。

水は一人あたり一日3リットル必要と言われていますが、重くなりますので、非常時に持ち出す場合は半分位(一人一日あたり1.5リットル)を用意しましょう。

 

6.その他

紙おむつ、粉ミルク等(赤ちゃんがいる場合)、薬(持病があり通院している場合)、コンタクトレンズ用品、メガネ、携帯トイレ、防災ブランケット、ウェットティッシュ、ビニール袋、レジャーシート等。

避難所には、赤ちゃんに必要なおむつやミルクはありません。薬もありませんので、避難している時にも必要になる物は、必ず準備しておきましょう。携帯トイレや防災ブランケットは、100円ショップやホームセンター等で買うことができます。避難している時はトイレが十分確保できていないこともあるので、携帯トイレはいくつか準備しましょう。

防災ブランケットは毛布の代わりに使います。軽くて小さくたためるので、家族の人数分を準備しましょう。ウェットティッシュは、水が使えない時に手や身体をふいたりするのに使えますので多めに用意しておくと便利です。手を洗えない時には、除菌ウェットティッシュがあると、感染症の予防にも役立ちます。

 

非常持ち出し品は、家族全員がどこに置いてあるか知っておくようにしましょう。玄関に置いたり、寝る時は枕元に置いておくとよいでしょう。

(ー 部は文字と映像で見せる。)

 

次に、「備蓄品」について説明します。

避難所に行く必要がなく家にいる場合でも、災害が起こった後は、電気、ガス、水道などが何日も使えなくなることがあります。また、道路や交通機関に被害が出た場合は、商品の輸送もできなくなるため、お店に行っても食料品や水等必要な物が手に入りにくくなります。そのため、そのような状況でも最低3日間は生活できるように、家に必要な物を用意しておく必要があります。

「備蓄品」は家で使うものなので、「非常持ち出し品」のように運ぶ必要はありません。

水や食料は、長い間保存できるものを十分準備しましょう。

ガスが使えなくなった時には、カセットコンロがあると便利です。

水が使えない場合は、このように食器にラップを敷いて使うと洗わなくてすみます。また、水がなくても髪を洗えるシャンプーや、ウェットティッシュを多めに準備しておくと便利です。

 

災害が起こった時に困らないように、「非常持ち出し品」や「備蓄品」の準備を必ずしておきましょう。また、準備した物は、定期的に点検して、食料品や水、電池など、有効期限が過ぎたものは新しいものと取りかえるようにしましょう。

 

「防災講座」ビデオ ・ 「家具の固定」

2011/03/30 Wednesday 防災情報

「防災講座」ビデオ ・ 「家具の固定」

これは、2004年に、新潟県で震度7の大きな地震がおこった時の様子です。

この写真でもわかるように、地震が起こった場合、家の中では、家具や倒れたり物が落ちてきたりして、けがをしたり、ひどい場合は命を落とす場合もあります。

 

一般的に、震度5以上の地震で、本や食器などが棚から落ち、震度6以上になると、固定されていない家具が動いたり倒れたりすると言われています。

 

このグラフは、地震による死亡の原因を示すものです。多くの人が倒壊した建物や倒れた家具の下敷きになって亡くなったことがわかります。1995年に神戸を中心に発生した震度7の地震でも、亡くなった人の8割が倒壊した家や家具の下敷きになりました。

 

こうした被害を防ぐため、家具が倒れないように固定しておくことが大切です。

 

家具や物が倒れたり落ちたりしないようにするための道具は、ホームセンターなどに売られています。

 

これは、「家具転倒防止用ポール」と言います。タンスや本棚などの大きな家具を固定するために使います。家具の上部と天井の間にこのポールを入れてしっかりり固定します。壁に穴を開ける必要がないので、アパート等に住んでいる場合は、これを使うと便利です。

 

ポールは2本1組で売られています。家具の両端をこのように固定してください。

家具の高さによってサイズを選びます。高さのある家具の場合は、家具の上部と天井の間の長さが短いのでSサイズ(30cmから40cmまで)。その他、Mサイズ(40cmから60cmまで)、Lサイズ(60cmから100cmまで)もありますので、買いに行く前に、家具と天井との間の長さを計っていきましょう。

 

これは、「すきまマットとか家具転落防止安定版」といって、家具の下部と床の間に挟んで使います。地震が起こった場合、家具が前に倒れず後ろの壁の方に傾くようにし、また、家具が動くのを防ぎます。

 

これは、机の上等に置かれたパソコンのモニターやテレビが動かないように固定するための道具です。パソコンやテレビの下に数か所に置いて固定します。取り外しも簡単にできます。「衝撃吸収パッド」という名前で売られていることが多いです。

 

他にも、地震の揺れで、タンスや棚の扉や引き出しが開かないようにするための道具もあります。このような道具を使うことで、食器や本などが落ちるのを防ぐことができます。これは、「開く戸ロック」と言いますまた、割れたガラスが散乱するのを防ぐためにガラスに貼るフィルムなどもあります。

 

地震の被害を少なくするためには、私たちひとりひとりが、日頃から家具の固定などに取り組むことが大切です。家具の固定は、地震から自分や家族の身を守る最初の手段です。今回紹介したことを、みなさんの家庭での地震対策に活かしてください。

 

家具の固定に関する情報は、県や市、町等が作っている防災ハンドブック等にも書かれています。ぜひ、参考にしてください。