防災講座 「避難所」

防災講座 「避難所について」

2011/12/14 Wednesday 防災情報

災害が発生した時に、災害によって自宅での生活が困難になった人々が一時的に避難生活をする場所を「避難所」といい、一般的に学校の体育館や公民館などが避難所に指定されています。

避難所では、避難している人の名簿を作って地域の住民の避難の状況を確認したり、ケガをしたり体調が悪くなった人の応急処置を行ったりします。また、避難所は、災害にあった地域の住民に必要な情報や支援物資などが集まる場所でもあります。ですから、災害後も自宅で生活でき避難所に避難していなくても、避難所に行って情報を確認することも大切です。

避難所では、多くの人が、不安な気持ちで、また不便な状況の中で共に生活しているため、お互いに、「譲り合い、助け合い」の気持ちが大切です。

具体的には、次のようなことに気をつけましょう。

①互いのプライバシーを尊重しましょう

避難所では多くの人が限られたスペースを分け合って生活することになります。できる限りお互いのプライバシーを尊重し、余計なストレスを与えることのないよう、むやみに他人の場所に立ち入らないようにしましょう。

②避難所のルールを守りましょう。

多くの人が生活する避難所では消灯時間やゴミの分別などに関するルールがあります。ルールをきちんと守って、お互いに気持ちよく生活できるようにしましょう。

③高齢者や身体の不自由な方、持病のある方、乳幼児など配慮の必要な方への気配りを忘れないようにしましょう。

④食料、飲料水、その他生活に必要な物はできるだけ持参し、配給を受ける時はルールを守りましょう。

食料や飲料水、その他生活に必要な物が避難所に届くようになるまでには時間がかかりますし、数や量が十分でないこともよくあります。災害発生後数日分の食料や飲料水、オムツ、着替え等の非常持ち出し品・備蓄品を準備し、避難する時には持っていくようにしましょう。避難所で食料や飲料水の配給が始まっても、決められた数やルールを守りましょう。また、病気で医師に処方された薬を服用している人は、避難所では必要な薬がなかなか手に入らないため、避難する時に持っていくようにしましょう。

⑤自分の健康の管理をしましょう。

多くの人が一緒に生活をする避難所では、食中毒やインフルエンザ等の感染症が発生しないよう注意することが大切です。手洗いやうがいをし、マスクをして感染を防ぎましょう。断水で水道が使えない場合もありますので、非常持ち出し品に除菌ウェットティシューやマスクを必ず入れておきましょう。

⑥エコノミークラス症候群にかからないように注意しましょう。

エコノミークラス症候群とは、長時間のあいだ同じ姿勢をとる事で、血が流れにくくなり、最悪の場合死に至ることがある病気です。避難生活においては避難所での生活、自動車での寝泊りによって長時間同じ姿勢をとることが多く、エコノミークラス症候群になりやすくなります。避難所では、こまめに身体を動かし、十分に水分を補給することが必要です。

避難所では、地域の住民が中心となって、必要な役割を分担して行う必要があります。避難所で配る食事の準備や配給、地域のパトロール、被災した方の困りごとの受付など様々な役割が必要になります。地域の一員として、自分にできることで関わるようにしましょう。特に、日本語でコミュニケーションを取ることができない外国人の方は必要な情報を十分に得ることができず困ることが多いため、日本語のできる方は、必要な情報を他の外国人の方に伝えてあげることも大切です。

地域では、自治会等が中心になって、避難訓練や避難所訓練を行っています。そのような機会にはできるだけ参加し、災害が起こる前に、避難方法や、避難所でどのような事が必要かを知っておくようにしましょう。

「地震が起こった時の対応について(建物の中にいる場合)」

2011/12/14 Wednesday 防災情報

「地震が起こった時の対応について(建物の中にいる場合)」

地震は、いつ、どこで起こるかわかりません。地震が起こった時に、あわてずに、安全に避難するためにはどうすればいいのか、考えておくことが大切です。

 

建物の中にいる時に地震が起こったら、いちばん大切なことは、自分、そして家族や近くにいる人が、けがをしないようにすることです。

テーブルや机がある場合は、その下に隠れ、地震の揺れでテーブルや机が動かないように、脚の部分をしっかりと持ちましょう。

 

近くにテーブルや机など隠れるところがない場合は、クッションや雑誌などを頭の上にあてて、上から落ちてくる物から頭を守ってください。

 

地震でいちばん危ないのは、タンスやテレビなどの家具や電気製品が倒れたり、落ちたりすることです。これまでの地震でも、倒れた家具の下敷きになって亡くなった方がたくさんいます。また、倒れた家具がじゃまになって、逃げられなくなることもあります。このようなことにならないように、家具の固定や転倒防止のための対策をしておくことが、大切です。

 

地震の揺れが止まったら、すぐにしなければならないことがあります。

それは、火を消すことです。地震で揺れている間に、あわてて火を消そうとすると、やかんのお湯がこぼれたり、服に火がついたりしてやけどをすることもあります。最近のガスコンロは、地震等の揺れに反応して自動的に火が消えるようになっているものもありますので、揺れている時に無理をして火を消そうとせず、揺れが止まってから消すようにしてください。

 

また、外に出るための出口を確保することも大切です。

地震の揺れで建物がゆがんだことが原因で、窓やドアが開かなくなることがあります。

揺れがおさまったら、外に逃げ出せるドアや窓が開くかどうか確かめ、開くドアや窓を開けて、逃げるための出口を作りましょう。

 

建物の外に避難する時は、ガスの元栓を閉め、電気のブレーカーを落とし、コンセントからプラグを抜いてください。これは、地震が原因で電気やガスの供給が止まった場合に、再び電気やガスが復旧した時に、ガスもれを起こしたり、漏電で火事になったりすることがあるからです。東日本大震災でも、漏電が原因で火災が発生したことがありました。

 

地震の後、建物の中には、食器や窓や家具のガラスが割れて、床に散乱していることがよくあります。避難する時に、裸足では危険です。スリッパか靴を履いて逃げられるよう、普段から近くに置いておくようにしましょう。

 

スリッパや靴以外に、懐中電灯も必要です。特に、夜、地震が起こった場合、停電で建物の中は真っ暗になってしまいます。懐中電灯など避難する時に必要な「非常持ち出し品」を用意して、寝室や玄関など、すぐに持ち出せる場所に置いておきましょう。

 

地震の時に受ける被害を少なくするためには、地震が起こる前の準備が大切です。家具の転倒防止のための対策や、非常持ち出し品の準備をし、地震が起こったときにどうすればよいか、家族で話し合っておきましょう。また、住んでいる地域で行われる避難訓練等にも参加してください。